CINet Conference 2021

Continuous Innovation Network (CINet)の分野および関連する研究と実践の分野で働く研究者と実務家を結集するために設立されたグローバルネットワークが、CINetです。
継続的なイノベーションに関する考え方を議論する場が国際会議であり、関連するジャーナルとしてCreativity and Innovation Managementがあります。まさに、現在執筆中の論文をこのジャーナルに投稿予定でもあり、現在、参加した国際会議を振り返っています。

CINet Conference 2021のメインテーマは、”Organising innovation for a sustainable future”
COVID-19危機に直面し、膨大な数の緊急の社会問題がある今日では、外部の脅威や社会の変化によって引き起こされる大きな不確実性の時代にも革新的な製品やサービスを効率的に開発し続ける弾力性のある組織をつくることが重要です。
イノベーションを促進し、Covid-19パンデミック後に出現する「ニューノーマル」に影響を与えるのに役立つ可能性のある戦略、持続可能な未来への道を開くビジネスモデルの開発、理論、実践を特定して議論するカンファレンスとなりました。

Keynoteは、Chalmers University of Technologyのイノベーションと持続可能性の教授であるBjörn Sandén氏。テーマは、“Challenges and opportunities in organizing and managing innovation for a sustainable future”
歴史的な変化や世界全体の状況を俯瞰して示されたうえで、下記の問いかけをくださいました。
✓私たちがイノベーションを起こすために何が必要か
 (長期的に考え‐バックキャスティングすること)
✓新しい社会技術システムはどのように成長すべきか
 (動的な変化を含み、多くの形態の機関と構造の間の相互作用をシステム的に考えること。)
✓私たちの未来をどのように選択していくのか
 (規範的な理解、研究や練習における正しい方向性をどのように組み合わせられるか)

論文発表のセッションでは、下記のようなテーマとトピックでの議論が行われました。

ORGANIZING/MANAGING INNOVATION, CREATIVITY/INNOVATIVEN , INNOVATION NETWORKS, SUSTAINABILITY AND INNOVATION, SENSEMAKING, OPEN AND COLLABORATIVE INNOVATION, INNOVATION CAPABILITY, INNOVATION DIFFUSION, INTERNAL AND EXTERNAL STAKEHOLDERS, OPEN AND COLLABORATIVE INNOVATION, RESEARCHING INNOVATION…

  • 持続可能な製品とサービスの革新の開発を促進するためにどのように組織するか?
  • 組織の持続可能性を達成するためのイノベーションを管理する方法は?
  • 不確実性の下で革新をリードすることの課題と影響は何か?
  • 持続可能性のためのイノベーションエコシステムをどのように組織し、管理するか?
  • ビジネスモデルとビジネスモデルの革新は、どのようにして持続可能性への道を開くことができるか?
  • サーキュラーエコノミーアプローチはどのようにして持続可能なイノベーションを促進することができるか?
  • デジタル化などの新しいテクノロジーは、どのようにして持続可能な組織を可能にするのか。
  • 持続可能な未来のためのイノベーションにおける大学の役割は何か?
  • 社会的、経済的、環境的持続可能性を同時に達成する上での矛盾は何か?

特に”ORGANIZING/MANAGING INNOVATION”と”CREATIVITY/INNOVATIVENESS”の分野に特化してセッションに参加していましたが、ドイツの研究者による”INNOVATION WITH A TWIST: LINKING CREATIVE AND BUSINESS ORIENTATION TO CONTINUOUS INNOVATIONS”や”WORKING IN THE OFFICE OR WORKING FROM HOME: WHERE ARE EMPLOYEES MOST CREATIVE?”は、自分の中でのホットトピックとして興味深い研究でした。
博士学生も多く、literature reviewのやり方などは非常に参考になるものがあります。

興味のある論文やセッションに参加できなかった論文を読み返しながら、今回学び発見したことを、自身の研究や仕事にも活かしていきたいと思います。