世界も求める”美”/西陣織HOSOOの現在・過去・未来

元禄元年(1688年)、本願寺より苗字を受け、京都・西陣の地に創業された織屋である「細尾」。
世界に誇る「西陣織」の高い技術と芸術性を掲げ、その可能性を深め広げること、また、きもの問屋として日本各地の伝統的染織文化を紹介し、きもの文化を未来につなげていくことの二つを使命とされている「細尾」12代目当主、細尾真孝さん。

従来の社会の仕組みが行き詰まっている今、工芸の力に立ち返り、物の質を通じて、人間生活の基盤を再構築されたいという哲学に基づいてあらゆる活動に取り組まれていらっしゃる細尾さんとの対話から、Japan Authentic Luxuryを紐解く機会をいただいたのが、今年の6月ごろのことでした。

HOSOOの店舗に、一歩足を踏み入れると、その圧倒的な美しい世界観に全身が吸い込まれ、心トキメク体験が待っています。

ディオール、シャネル、エルメス…世界のluxuryブランドが今、着目する日本の伝統である西陣織の「美」がここにあります。

美の追求にとどまることなく、東京大学筧康明研究室、ZOZOテクノロジーズとともに挑まれている、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせた機能性までも両立する、新たなテキスタイルの共同開発も圧巻なのです。

「西陣織のDNAには、“美”と“協業”と“革新”があります。まず、“美”に関しては、西陣織は、“美”というものを上位概念としてきた1200年の歴史があります。そして、その美を追求するための異なる専門性を持った職人達、技術者達による“協業”に関しては、完成までに必要な20以上もの工程があり、高度な分業を展開してきました。最後は、“革新”ですが、ジャガード織機を明治に持ち込んでイノベーションを起こすなど、時代の節目で革新を起こしてきました」
というメッセージのとおり、イノベーションに挑み続けられる、株式会社細尾12代目の細尾真孝社長に、美意識の鍛え方、日本を再生する伝統工芸×先端テクノロジー、織物を通じた現代における人間や環境のあり方などをお聞きしました。


細尾さんの3日後に発売予定の初のご著書【日本の美意識で世界に挑む】に美の真髄が、凝縮されています。