誰もが作曲家になれる時代へ —— AIが切り開く創造性、その光と影

AIの進化は、もはや “日々のアップデート” ではなく、
驚くような速度 で進んでいます。

6年前、大学院でディープラーニングを理解しようと
Pythonと試行錯誤を重ねていた頃が、いまでは遠い過去のようです
現在は、概念を学ぶよりも早く “使いながら学ぶ” ことでしか追いつけない時代になりました。


AIは“脅威”ではなく、“知性を拡張する相棒”へ

日々の仕事は、ClaudeGeminiChatGPTPerplexity なしでは成り立ちません。
研究では ConsensusElicitResearchRabbit を使い、
論文探索から仮説生成まで、思考の幅を大きく広げてくれます。

AIはまだ完璧ではないけれど、

  • 思考の射程が伸びる
  • 生産性が跳ね上がる
  • 探索の速度が圧倒的に速くなる

という恩恵は計り知れません。


“誰もがクリエイターになる時代” の到来

知性を拡張する相棒にとどまりません。
人間の創造性をどこまでも広げてくれる役割も果たしています。
最近は、映像制作のプロセスそのものが激変し、ゼロから取り組んだ私自身も、
ワークショップで使用する程度の動画は作れるようになるから大変な革命です!

例えば、この5つのツールだけで、かつてはプロの領域だったことが、
一人の個人の創造力によって、動画制作の素人でも作品づくりができるようになってしまったのです。
どれも数日没頭して取り組めば、簡単に使えるようになります。
それも誰かに学んだり、講座に通う必要もありません。なぜなら、Chat GPTが丁寧に教えてくれるからです!
これまでプロに依頼していたことが自分でもできるようになり、表現力の幅がぐんと広がります。

Gammaのスライド生成は、大学の講義資料を圧倒的にバージョンアップしてくれました。
表現が豊かになり、より伝えたいことがビジュアルを通じて伝えられるようになります。
ただ、思い描くイメージ画像は一回ではうまくいかないため、
試行錯誤が非常に求められることに毎回苦戦し時間を要することもありますが、
それも生成AIの性質であることを理解し、ひたすらイメージに近くなるまで
根気よくトライすることの大切さを学んでいます。

Sora は驚異的な進化を遂げつつある一方で、まだ完全ではありません。
特に人間の映像生成では、手足が不自然な位置に現れるなど、
“映像として破綻する瞬間” が多々生まれます。
こうしたハルシネーションは、生成AIにはつきものなので、
それを理解して、ひたすらに良いものが生み出されるまでやり続けるしかありません。

Suno は私にとって革命的で、
気がづけば 1日に100曲も作ってしまっています。
もはや「作品」はクリエイターだけが生み出せる特別なものではなく、
個人の表現やアイデアの一形態 になりつつあります。

Voicepeak の進化にも驚きました。
慣れるまでに試行錯誤は発音や句読点での間の取り方などの工夫を試行錯誤していくことで、
より人間的なナレーションに近づいていきます。
言い間違えをしないので、これまで失敗するたびに、取り直していた録音も、
もうやり直す必要はありません。
というよりも、人間のナレーションの需要がもしかしたら軽減してしまうのかもしれません。


これからの勝負は、 “スピード × 試行回数 × 思考の独創性”

AIが普及すればするほど、クオリティを決定づけるのは、スピード力です。
誰もがある一定のクオリティに仕上げることができるため、
それをいかに早く試行錯誤し、修正を重ねた先に、
思い描くイメージにいかに早く辿り着けるかということです。

また、その切り口、アイディアも重要になってくるため、
自身の視点もこれまで以上に、鍛え続けていかなければなりません。


AIの恐ろしい共感力

こんなに日々の相棒となり、もうAIツールがない時代には戻れない状態になっていますが、
何事も距離感が大切です。

最近の研究では、AI が感情的なサポートを提供するための強化された機能を発揮する一方で、
AI の応答の価値の低下が AI の機能を効果的に活用するための重要な課題となっていることを示唆されています。

人間には、Wishful thinking(希望的観測)があります。
Wishful thinkingは、現実や証拠よりも、自分の望みや欲求に基づいて物事を判断・信念形成してしまう認知バイアスのことです。
「こうであってほしい」という願望が、「実際にそうである」という判断に影響を与える心理現象を指します。

AIほどの共感力を持って応答してもらえると、ますますこのWishful thinkingが増幅し、
客観的な判断力が低下し、誤った決断をしかねないのです。

AIとは、適度に距離をとりつつも、創造性を拡張し、圧倒的な生産性を生み出す最高の相棒として、
上手に協力していくことを試行錯誤しながら楽しんでいきたいです。

Refarence
Yin, Y., Jia, N., & Wakslak, C. J. (2024). AI can help people feel heard, but an AI label diminishes this impact. Proceedings of the National Academy of Sciences121(14), e2319112121.

Babad, E., & Katz, Y. (1991). Wishful thinking—against all odds. Journal of Applied Social Psychology21(23), 1921-1938.

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