BEST PAPER AWARDへの道のり

人生で初めて、国際学会とジャーナルに共著で論文を投稿することにチャレンジし、奇跡的にその両方で”BEST PAPER AWARD”を受賞することができました。多くのみなさんとともに受賞したものであるからこそ、喜びもひとしおです。

 今回の論文は、本当に多くの方が関わっています。この素晴らしいチャンスをくださりご指導、共著してくださった慶應大学大学院システムデザインマネジメント研究科の白坂教授、同じくSDM博士の小林さんには本当に感謝の気持ちが絶えません。 

そして、今回の内容は、私にとって非常に思い入れのある企業との取り組みから生まれたものです。ゼロからスタートして、この数年間でみんなで試行錯誤してきた軌跡がこの論文にはぎっしりと詰まっています。 この企業のボードメンバーの人を大切にする強い意志と素晴らしい企業文化が根付いているという環境が整ってこそ、この取り組みが実現しています。まさに、この企業のみんなで受賞することができたのだと感動しています。

 ◆慶應大学大学院システムデザインマネジメント研究科の白坂教授、同じく博士の小林さんとの共著です。 
Hamamoto, A., Kobayashi, N., & Shirasaka, S. (2018). Educational Programs and Practical Examples for Contributing to Work Engagement. Review of Integrative Business and Economics Research, 7(4), 26–47.   

 論文を読んだこともままならず、英語は全くできないうえに、締め切りまで3週間。
そんな無謀ともいえるスタートから始まる珍道中は、今振り返っても、言葉にできないほどの苦悩と失敗の連続でした。
 最初の提出を終えて安堵しているのも束の間、まさか通らないと思っていた査読が通り、嬉しさ以上に次に待つ国際学会のことで頭が真っ白になりました。慌ててその日から学会本番に向けてbizmateに入会です。
 さらにプレゼンまでに論文内容をブラッシュアップさせることにかなりの時間を費やすことになるのですが、そんな私には、当然、土日やクリスマス・お正月などはありません。
元旦の早朝から机にかじりついて論文を読んで格闘していた日々が今では懐かしいです。

 2月、極寒のソウルで大緊張の学会プレゼンがようやく終わりホッとして帰国するなり、今度は、ジャーナル投稿に向けてさらにブラッシュアップの日々がスタートします。 来る日も来る日も仕事を終えるとすぐに机に向かい、ひたすら論文を読み続け、考え話し合い、論文を書く毎日…
気がつくと目の前の窓の景色が明るくなっている日が数え切れないほどありました。  

そんな珍道中でしたが、今振り返ると無我夢中で駆け抜けた4ヶ月が、これまで見たこともない素敵な景色が広がる場所までいつのまにか運んでくれたのだと思います。相当に手がかかったと思いますが、最後まで諦めずに多くのサポートをしてくださった皆さんには、感謝の気持ちがとめどなく溢れてきます。 

ここからがスタートなので、テクノロジーや時代の進化を追いかけながらも、人としてのあり方や人間だからこそ生み出せる価値は何かと問い続けながら、ヒューマニティ、Well-being、組織のイノベーションをテーマに、どこまでも深く追求していくことを楽しみたいと思います。同時にすべての研究活動は、仕事で関わる組織と多くの人に還元するためにあるので、社会実装をつねに念頭において、自分のパワーを精一杯注ぎたいと思います。