Neoplazticism:チームMOLpの挑戦

Neoplazticism:1920年、新造形主義としてフランスで提唱され、1925年にはバウハウスから同名のの書籍が発行された。これは、“古い慣例や解釈の終わりを主張したもの”とされているそうだ。

100年の時を経て、新たな新造形主義に向き合おうとされている三井化学株式会社。
2020-21年秋冬ミラノコレクションにて、FENDIが採用した太陽光が当たると色や柄が浮かぶ斬新なアイテム。この特殊な変化を実現させた新素材は、三井化学の「フォトクロミック」技術です。その革新を率いる“チームMOLp”の躍進から目が離せません。

今回は、“Beyond & Survive”をテーマにした展示に伺ってきました。“Design for Sustainability”は、数年前から海外の学会でも大きな柱となるテーマであり、研究でも社会実装でも欧州がこの分野では率いているように感じてしまう部分がありますが、実は日本にこそその可能性が大いに眠っているのだと実感できる展示でした。

特に気に入ったものをいくつか紹介。

15年の時を経て、トートバッグに生まれ変わるプロダクト。

フレキシブルコンテナ(フレコン)は、粉体や粒状の貨物を保管や輸送するための大型搬送用パッケージ。通常、15年ほど利用ののち、廃棄されるものですが、そのロングライフ性を活かして、アップサイクル製品へと再生されたバッグその名も“RePLAYER”。

なんと、15年後にデザイン性の高い製品を提供することのために、フレコン自体のデザインにも挑戦されているところがまたすてきです。

とにかく、軽い(一般的な塩ビと比較して40%)。修理可能で無縫製なところも、低環境負荷です。なにより気に入ったことは、この製品ひとつひとつにはシリアルナンバーがついており、トレーサビリティができる仕組みになっているところです。こういう一つひとつが信頼となり、受け継がれて使用されることの楽しみにもつながってゆくような気がします。

FASTAID-Virus Sweeper Towel 200

2室分離袋のパッケージ構造によって、使用直前に不織布に駅を浸透させるタイプのタオル。

常に液体に不織布がふれていないことによって、いつでもフレッシュで生活なタオルを瞬時につくることができると実感。大きめのサイズ間でつくられていることもおもいやりのひとつです。2年間保証なので、災害用の準備品に追加しておくのもいいなぁと思いました。

321 IDEA BOARD

社会状況や働き方改革にともない、オフィスリニューアルが多い昨今。空間の仕様の変化のみならず、音環境ということに着目して開発されたモバイル型パーテーション。

特定の周波数を低減させる機能を備えています。特殊加工のウッドボードには、メモもできたり、スペーサー連結でフレキシブルな拡張も可能。これで、さらにどこでも集中して仕事ができる?!

“INDIGO” TIDER Tee

今回チームスタッフのユニフォームとなっているTシャツ。100年企業である三井化学のルーツが描かれています。そのストーリーもさることながら、着目したいのは、このパッケージの筒です。これは、繊維工場で使用されている糸を巻き付ける芯の部分です。色とりどりのデザインは、このためにデザインを加えたのではなく、本来の芯そのものに、このようなカラフルなデザインが施されていたのです。これまで破棄されていたモノをそのままのかたちで、生まれ変わらせることができる、それこそがデザインの力です。

そのものの価値をいかに見いだし、世の中にコミュニケーションしていくのか。ひとりの天才がそのデザインをしていくよりも、多くのメンバーを巻き込みながら多視点で構造化しながら議論を重ねていく意義を感じます。それは、良いアイデアが素晴らしいのではなく、それを情熱をもって実装させ、伝え続けるメンバーが広がることでチーム・組織が変わり、結果的にイノベーティブなことがつながってゆくと感じるからです。

日常は各部署での本業に励みながら、年齢やバックグラウンドもバラバラの有志で集まり新しいチャレンジを続ける“チームMOLp”。皆さんが楽しそうに生き生きとされていることも心を動かされることのひとつです。