教育の未来

教育の未来について考えたいと思います。大学院の講義の中で、NOSINERの太刀川氏に教えていただいた進化思考が面白かったため、この手法を使用して、”組織”(会社)というテーマについて、歴史をたどりながら未来を考察してみたいと思います。

会社は、聖餐式のパンが始まりでした。ラテン語の com と pan から分かるように、これはパンをともにするところから「仲間」という意味であり、company は「人の集まり」 としての 意味合いです。
company の会社の意味合いは、人間存在を中核においたものであり、それに対して、corporation はcorpus (体)という観念体 を立ち上げる会社観であること。

「人間の集まり」(company)としての会社観 は、人間の生物的限界として「やがて死ぬ」と いう人間の宿命的な限界をもっている。これに 対して,人間存在とは別次元の「神秘体」(corpus mysticum)を立ち上げる会社観では、会社は適 切に経営される限り「死ぬことのない存在」で あり、ゴーイング・コンサーンとなる、それが、corporationであるということなのです。

次に組織(会社)からもう少し抽象度を下げて、”ワークエンゲージメント”を中心として、周辺にあるもののつながりの全体図を作ってみました。

“work engagement”を考えるとき、最初に影響があると考えたのは、【環境】と【人】の2つの項目でした。面白いことにハードとソフトで異なるカテゴリーですが、それぞれが、相互につながりあっています。今回のつながりの図を書いてみると、【環境】と【人】それぞれの目的は、“生産性”・“幸福度”・“コミュニケーション”であるのだと改めて感じ、その先にあるものは、企業価値の向上=社会貢献度合です。

この図を書くことで個々の“work engagement” に関する具体的な価値観が明確になります。そのため、同じ組織で働く仲間同士で実施し、共有することで、互いの価値観の理解が深まり、チームボンドや生産性を高めることにつながる。ここから見えてくる、そこに潜んでいるWILL(願い)があります。Like(良い)願いばかりではなく、Pain(いや)な願いもあります。

そこから、少し未来の教育についてリサーチ

リサーチに基づいて、続いては、GENERATIVE WILLについて考えてみたい。潜んでいるWILL(願い)からLike(良い)願いばかりではなく、Pain(いや)な願いを発見します。

ここから考えられるGENERATIVE INTENTIONとは、下記のように考えました。

Self discovery journey

教育業界としては、オンライン教育、自己認識、多様性を学ぶ教育などが考えられ、社会全体の動きとあわせると、AIの進化により、より人間らしい才能が求められる。働き方の多様性や自由度が高まり、より個々が才能を発揮しながら生きていくことができる時代になるのではないでしょうか。

そこから考える教育の未来とは、
人は、自分の才能や個性、または価値観に従って、学びたいものを自ら選び取り学んでいくようになっていく。そのプロセスこそが、個々のクリエイティビティを高め、視野を広く深く高く広げていくきっかけになると信じています。それは、子供たちだけのものではなく、大人たちもいくつになっても、学びたいときに学びたいものを自由に楽しく学び続ける文化がより醸成されていくのではないでしょうか。だからこそ、学ぶとは生活そのものになっていくことを感じずにはいられません。

この全体の流れから考えるIDEA CONCEPTは、

【Anytime anywhere classroom】

‐ それは、いつでも、どこでも、世界中が教室になる。‐

GENERATIVE INTENTIONの” Self discovery journey“。自分を発見していくプロセスには、広い世界に触れながら、自身で内省していくことが欠かせません。広い世界に触れることも、内省することも、どのような場所に身を置くのか、という場所が大切である。また思った時にその場にいけるという時間の制約がないこともポイントになってきます。現状は、広い世界を見に行くことにも費用が掛かり、インターネットの画面上だけでは本当の体験までにはいきません。そこで、今回のコンセプト“Anytime anywhere classroom”の出番です。

どこでもドア”のような等身大のドアに興味関心のあることを呼びかけると、ドアの向こうにはその場所が突如現れ、風景や音、触れた感触、香り、などの五感でリアリティをもって感じ取ることができ、時にはこちらからのアクションをドアの向こうに伝えてコミュニケーションを図る。現代の動画などのクオリティをはるかに超えた五感でリアリティのある実体験を感じられるようなものなのです。

例えば、世界の素晴らしい図書館や美術館を実際にその場にいるように散策し、実際に興味をもったものの詳細を調べることができたり、世界の文化を感じるためにその街の暮らしを体験、世界の同世代の人と対話を通してコミュニケ―ションを図ることができたり、憧れの海外の学校の授業にも参加することができたり、世界の大自然・絶景・日本の文化に触れて、感動体験、クリエイティビティの創発を促進させる。個々が興味をもったその時に、実際にその場にいるような体験を通して、ひとり一人が持つ才能や個性を伸ばし、多様性を学んでいき、世界がよりつながる“教育のあたらしいスタイル”なのである。